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《 改定 第2章 ―第1ステップ― 》
物体の運動を観察すると、物体の運動≠ニ物体が受ける力≠ニのあいだに何らかの因果性があることが示唆されます。両者の因果関係は、力学において ニュートンの「運動の三法則」と呼ばれる三つの法則で表されます。運動の三法則は、運動の第1法則、運動の第2法則、運動の第3法則と呼ばれる三つの法則から成っています。
第一ステップでは、この運動の三法則について説明します。
運動の因果性
私たちが周囲の物体の運動を観察するときに、その運動がどうして起きるのだろうか、と考えることがあります。運動が起きるのは 何か原因があるのではないか、と考えるわけです。そのような考え方を、運動の因果性≠ニいいます。運動にはそれに先立つ何らかの「原因」があって、その「結果」として運動が引き起こされるのだ、という考え方です。
「因果」とは もともと仏教からきた言葉で、『 今ある事物が以前の何らかの事物の結果であり、また将来の何らかの事物の原因であること 』といった意味です(
《 参考資料 2-1 》)。この言葉を用いた言い回しは 昔からいろいろあります:
親の因果が子に報い∞因果応報∞因果な話だ∞因果な性分∞因果を言い含める
などです。
物体の運動など自然界で起きる現象には、このような因果性があるのでしょうか。運動の因果性を探るために、一つの例を挙げてみます。
木の枝にぶら下がっていた1個の柿の実が、一陣(
いちじん)の強い風に吹かれて枝から離れ、地面に向かって落下します。地面にぶつかった柿の実は、跳ね返って地面の上を転がり、やがて止まります。
柿の実に付けた一つの小さな点に注目し、この点を第1章で述べた<物体を代表する点>とします(
を参照 》 )。この点は時間とともに空間を移動して、
〔 図 2-1 〕 に示すような軌道を描きます。
柿の実にこのような運動を起こさせた原因として、どんなものが考えられるのでしょうか。
〇 柿の実が枝を離れたのは、強い風が吹いたため、と考えられます。風が吹かなければ、柿の実はもっと長く枝にぶら下がっていたことでしょう。
ゆえに第一の原因は、風が吹いた≠ニいうことです。
〇 柿の実が地面に向かって落下したのは、私たちがよく知っているように、どんな物体も上から下に向かって落ちる傾向があり、柿はそれに従ったのだ、と考えられます。
ゆえに第二の原因は、自然界では物体は上から下に向かって落ちる傾向がある≠ニいうことです。
〇 地面にぶつかった柿の実が跳ね返ったのは、柿の実は地面から強い力を受けて運動の方向が上向きに急激に変えさせられためです。
ゆえに第三の原因は、柿の実が地面から力を受けたこと≠ナす。
ここに挙げた 強い風が吹いたこと=A物体が上から下に向かって落ちる傾向に従ったこと=A柿の実が地面から力を受けたこと というのは、自然界のなかに何らかの原因が在るから柿の実のこのような運動が起きるのだ、という考えに基づいて導かれたものです。
運動と力のあいだの因果性
〔 図 2-1 〕に示したような柿の実の運動が起きる原因として、強い風が吹いたこと=A物体が上から下に向かって落ちる傾向に従ったこと=A柿の実が地面から力を受けたこと≠ニいう三つを挙げました。これらについて、改めて検討してみましょう。
風は空気の流れであり、その流れのなかに置かれた柿の実は風が流れる方向に力を受けます。風が吹いたこと≠ェ原因であるという代わりに、柿の実が空気から力を受けたこと≠ェ原因であると言い換えることができます。
物体が上から下に落ちるのは、ニュートンによって明らかにされたように、物体には地球からその中心に向かって重力が及ぼされていること が原因であると言い換えることができます。
改めて検討してみると、柿の実のこのような運動が引き起こされた原因は、柿の実が周囲の空気、地球、地面から
力を受けたこと
にあると言うことができます。他の運動の例をとり上げてみても、同様な結論が得られます。物体の運動を引き起こす原因として、
力(
force )が重要な役割を果たしていることが分かります。
自然界においては、このように物体が受ける力≠ニ物体の運動≠フあいだに因果性が見られます。そこで、力と運動のあいだにどんな因果関係があるのかを見出すことが必要になります。
ニュートンの運動の三法則
ニュートン( Sir Isaac Newton (
1642年−1727年)は、物体が受ける力と物体の運動の関係について、
運動の法則 ( laws of motion ) と呼ばれる三つの法則を提唱しました。運動の法則は、ニュートンが 1687年 に出版した通称《プリンキピア》と呼ばれる《自然哲学の数学的原理》という著作のなかで述べられおり、「運動の第1法則」、「運動の第2法則」、「運動の第3法則」と呼ばれる三つの法則から成っています (
「運動の三法則」は、運動の法則 とも呼ばれます)。
運動の三法則 は、このホームページで解説する「ニュートン力学」の基礎となる法則です。以下において、この法則を 運動の第1法則、運動の第2法則、運動の第3法則 の順で説明します。
《プリンキピア》の原文は英語で書かれていますが、その日本語訳を用いて法則を説明することにします。日本語への翻訳本はいくつか出版されていますが、ここでは ≪チャンドラ・セカールの「プリンキピア」講義−一般読者のために−、チャンドラ・セカール著、中村誠太郎監訳≫(
《 参考資料 2-2 》)を用います。
〔 図 2-2 〕 に、その著書の表紙 (
左側は英語版、右側はその翻訳本)を示します。
法則を述べている文章で、物体(
原文では body)≠ィよび 運動(
原文では motion)≠ニいう言葉が使われます。二つの言葉の関係については、三つの法則を説明した後に、改めて
で検討することにします。
運動の第1法則
運動の第1法則 (
the first law of motion ) は、物体が力を受けないとき どんな運動をするのかを述べた法則です。《プリンキピア》の原文では、次のように述べられています:
運動の第1法則( 原文 ):
『 すべての物体は、それに加えられた力によってその状態を変化させられない限り、静止の状態あるいは一直線上の等速運動の状態をつづける。』
原文について補足的な説明をします。
◇ 文では状態≠ニいう言葉が使われていますが、これは物体がある速度で運動している状態≠フことを意味します。
◇ それに加えられた力によってその状態を変化させられない限り≠ニ述べられており、このことから物体の運動状態を変えるのは物体に加えられた力である≠ニ主張されています。
ゆえに原文では、運動の第1法則が成立する理由を力と運動状態のあいだの因果性≠用いて説明していることが分かります。
◇ 静止の状態あるいは一直線上の等速運動の状態≠ニは、《 改定 第1章 》で導入した「速度」という力学量 (
》 を参照 )を用いれば、速度が一定の状態と 言い換えることができます。
補足的な説明で指摘したことを考慮すれば、原文を次のように言い換えることができます。すなわち
運動の第1法則:
『 力を受けないとき、物体はその速度を一定に保ちつづける。』
言い換えた運動の第1法則は、簡潔で味気ないものですが、現在の教科書や参考書ではこのような表現が用いられています。これを「 運動の第1法則 」と呼ぶことにします。
運動の第1法則の原文では、補足的な説明で述べたように、この法則が成立する理由を説明しています。それは、『 運動を変化させる原因の力が存在しなければ、物体の運動状態、すなわち物体の速度は一定に保たれる 』というものです。ところが2番目に示した現代風の第一法則では、その説明をしていません。
〇 物理学の歴史では、運動の第1法則が成立する理由が探されきたようです。たどり着いた説明は
『 物体にはその運動状態を保持しようとする 慣性 ( inertia ) と呼ばれる性質が備わっており、力が加えられない限り、その運動状態 ( 静止の状態または一直線上の等速運動の状態 ) を保持する 』
というものです。これは 物体に慣性という性質を賦与した擬人的な言い方です。歴史的な経緯を反映して、運動の第1法則は
慣性の法則 (
law of inertia ) とも呼ばれます。
運動の第1法則は、《 改定 第1章 》で導入した速度ベクトルの
v を用いて数量的に表すことができます。すなわち
物体が力を受けないとき v = { 一定 } …( 運動の第1法則 ) < 式 2-1 >
となります。これは 改定第2章 で1番目の重要な式なので、式の番号 (
< 式 2-1 >) を付けました。
私たちの身の周りでは、運動の第1法則を成立させる前提となる 物体に力が加えられない状態 を簡単には実現できません。なぜなら、地球上ではどんな物体にも割合に強い重力が及ぼされるからです。〔 図 2-1 〕に示した柿の実には、重力とともに、空気からの力や地面からの力が及ぼされます。そのため地球上で物体の運動を観察して、この法則が成立するか否か(
いなか)を直接に確かめるのは困難です。
現代の私たちは、地球を離れた外の宇宙でロケットや人工衛星が飛び交う時代に生きています。宇宙空間では重力が非常に弱くなり、物体に及ぼされる力がほとんど無視できる状態が実現されます。
〔 図 2-3 〕 に、宇宙空間において宇宙船の外で浮かぶ宇宙飛行士を撮影したアメリカの NASA の写真を掲載します(
《 参考資料 2-3 》)。地球から遠く離れた宇宙空間では、地球や他の天体から及ぼされる重力は非常に弱いので、運動の第1法則が(
少なくとも近似的に )成立します。もしこの宇宙飛行士が隣接する宇宙船の壁を手で押したなら、彼はその反作用として壁から押した力と反対向きの力を受け、宇宙船から遠ざかって行きます。壁から手が離れた後は、宇宙飛行士は力を受けない状態に置かれます。ゆえに運動の第1法則に従って、彼は直線の軌道を描きながら等しい速さで宇宙船から遠ざかって行くことになります。
〇 宇宙飛行士が宇宙船から離れるのは危険なので、飛行士をロープで宇宙船に繋ぎ止めるか、または、飛行士が装着した窒素ボンベを噴射させていつでも推進力を得るように準備されているようです。
慣性の法則は、ガリレオ・ガリレイ(
1564−1642)が地上における物体の運動の観測を通して見出したと言われています。これは現在から 400年 も前のことで、誠に驚くべきことです。彼は斜面を下り降りる物体の運動の実験を何度も繰り返し、その結果を丹念に検討して、この法則が正しいことを検証したと伝えられています(
《 参考資料 2-4 》)。
運動の第2法則
運動の第1法則 は、力を及ぼされなければ物体はその運動状態を変えない、すなわち、物体はその速度を一定に保ち続ける、と述べています。それでは、力を及ぼされたら物体は運動状態をどのように変化させるのでしょうか。これに答えるのが
運動の第2法則 (
the second law of motion ) です。
《 プリンキピア 》の原文では、運動の第2法則は次のように述べられています:
運動の第2法則( 原文 ):
『 運動の変化は加えられた起動力に比例し、かつその力が働いている直線の方向に沿って行われる。』
原文について補足的な説明をします。
◇ 前半の文 運動の変化は加えられた起動力に比例し のなかに 運動 という言葉がありますが、これは現代における力学の用語では 運動量 です。
◇ 原文では運動の変化≠ェ行われる時間が示されていませんが、これはある一定の時間のあいだに変化した量≠ニ考えるべきです。その時間を゛単位時間に≠ニ定めることにします。
◇ 文の後半にその力が働いている直線の方向に沿って行われる≠ニいう文がありますが、それは運動量というベクトル量が変化する方向を示したものです。
◇ 原文をこのように言い換えると、『 運動量が単位時間に変化する量は、加えられた起動力の大きさに比例し、かつその力の方向に沿って行われる 』となります。
◇ 原文では、力の代わりに起動力≠ニいう言葉を用いています。《プリンキピア》では、物体に加えられる力を 起動力、加速力、絶対力 という三つに分類しており、運動の第2法則に現れる力は起動力≠ナあるとしています。しかし現代における力学の説明では、このような力の分類をしないで、ひとまとめに力≠ニします。
この後に力の単位を設定しますが、その単位を適当に選ぶことによって、《 プリンキピア 》の原文にある比例する≠フ代わりに 等しい という表現に換えることができます。ここに 等しい というのは、二つのベクトル量の大きさと方向が等しいことを意味します。
補足的な説明で指摘したこと、および、力の単位を適当に選定すれば、原文を次のように言い換えることができます。すなわち
運動の第2法則 の別表現:
『 物体の運動量が単位時間に変化する量は、物体が受ける力に等しい。』
この文のなかに「運動量」という言葉があります。これは
{ 運動量 } ={ 質量 }{ 速度 }
( 運動量の定義 )
と定義されます。ここに右辺の
質量(
mass )は 物体が持っている力学量の一つであり、スカラーで表されます。この 物体の質量 と 物体の速度 をかけたものが 物体の
運動量(
momentum )で、これはベクトルで表される力学量になります。
ニュートン力学で扱われる物体においては、物体の質量は変化することなく、十分の精度でもって一定の量に保たれます
( 注 2-1 ) 。これを
質量保存則(
conservation of mass )と呼びます。質量保存則が成立するならば、物体の質量は時間とともに変化しない一定量に保たれます。
物体の質量が一定の量に保たれるので、物体の運動量の時間的な変化は
{ 物体の運動量が単位時間に変化する量 } = { 物体の質量 }{ 物体の速度が単位時間に変化する量 }
= { 物体の質量 }{ 物体の加速度 }
となります。したがって 運動の第2法則を、次のように述べることができます:
運動の第2法則:
『 物体の質量と加速度の積は、物体が受ける力に等しい。』
これを「 運動の第2法則 」と呼ぶことにします。
運動の第2法則 の別表現 と 運動の第2法則 は 《プリンキピア》の原文を参考にして言い換えたものですが、現在の教科書や参考書では このような簡潔に表した法則が示されています。
運動の第2法則を、数式を用いて数量的に表します。物体の運動量を
p、時間を
t、物体が受ける力を
F で表すと、運動の第2法則 の別表現は
dp/dt = F …( 運動の第2法則 の別表現 )
と表されます。ここに
dp/
dt は
p を時間
t で微分することを意味します。
物体の質量を
m、速度を
v、運動量を
pと表せば
p =
mv ( 運動量と速度の関係 )
となります。ゆえに 運動の第2法則 の別表現は
m (dv/dt) = F
と表されます。速度ベクトル
v は 位置ベクトル
r の導関数として
v =
dr/
dt(
》 を参照 )と表されるので、上記の式は
m (d 2r/dt2 ) = F …( 運動の第2法則 ) 〈 式 2-2 〉
と表されます。この式に番号〈 式 2-2 〉を与えます。
◇ 物体の位置
r、速度
v、加速度
a のあいだには、次の関係があります(
》 を参照 );
v =
dr/
dt,
a =
dv/
dt =
dr2/
dt2
《 プリンキピア 》では、力について次の説明をしています:
『 物体に加えられた力とは、その運動状態を変えるために物体に及ぼされた 一つの 作用( action ) である 』
物体にはいろいろな作用が及ぼされるが、力はその作用の一つである、という考え方です。ここでは、作用という言葉を力の作用≠ノ限定して用いることにします
( 注 2-2 ) 。
( 注 2-1 )相対性理論では質量はエネルギーと等価であり、質量は一般には必ずしも一定の量に保存されません。しかしニュートン力学が扱う現象では、物体の質量の変化量はきわめてわずかであり、質量保存則は十分に良い精度で成立します。
( 注 2-2 )運動の法則では、物体に力が加えられる=A物体が力を受ける=A物体が力を及ぼされる=A物体が力の作用を受ける≠ネど、いろいろな表現が用いられています。言い方は異なっても、これらは全て同じ意味を表します。
運動の第3法則
運動の第3法則 (
the third law of motion ) は、二つの物体が及ぼし合う力についての法則です。原文では、次のように述べられています:
運動の第3法則( 原文 ):
『 すべての作用に対して、等しく、かつ反対向きの反作用が常に存在する。あるいは、互いに働き合う二つの物体の相互の作用は常に相等しく、かつ反対方向へと向かう。』( 注 2-3 )
原文について補足説明をします。
◇ 原文を次のように言い直すと分かり易いでしょう。すなわち『 物体が他の物体に作用したとき、作用した物体はその相手の物体から常に反作用を受ける。そのとき作用と反作用は、大きさが等しく向きが反対である 』。
◇ 原文では力≠ニいう言葉の代わりに作用≠ニいう言葉を用いています。《プリンキピア》では、作用≠力≠含む広い意味で捉え、この法則を拡張した形で用いています。しかし現代の物理学では、この法則を力の作用とその反作用≠ノ限って用いています。
補足的な説明で指摘したことを考慮すれば、原文を次のように言い換えることができます。
運動の第3法則:
『 物体A が 物体B に力を及ぼすとき、物体A は 物体B から大きさが等しく反対向きの力を及ぼされる。』
これを「運動の第3法則」と呼ぶことにします。運動の第3法則は、別名で
作用・反作用の法則(
action-reaction law )と呼ばれます。
運動の第3法則を数量的に表します。物体Aと物体Bという二つの物体があり、物体Aが物体Bに及ぼす力を
FAB とし、物体Bが物体Aに及ぼす力を
FBA とします。運動の第3法則は
FBA = −FAB …(運動の第3法則 ) 〈 式 2-3 〉
と表されます。この式に番号〈 式 2-3 〉を与えます。
( 注 2-3 )原文の 《 参考資料 2-2 》 では、前半の文と後半の文をつなぐ接続詞として、『 すなわち 』の日本訳語を用いています。これに替えてこの訳語を『 あるいは 』に変更しました。英語の原文では、この箇所は『 or 』となっている部分で、言い換えれば≠ニいったような意味です。
質量と力の単位
以上で述べた ニュートンの 運動の三法則では、新たな力学量として
質量、運動量、力
が現れました。これらの力学量の単位は、国際単位系(SI)で次のように定められています(
《 参考資料 2-5 》):
◇ 質量の単位は キログラム で
[kg] ( 質量の単位 )
と記されます。
◇ 運動量は質量と速度の積で与えられるので、その単位は
[kg・m/s] ( 運動量の単位 )
と記されます。
◇ 力の単位は、運動の第2法則 に基づいて定められます。すなわち、質量が 1kg の物体に力を作用したとき、その物体の加速度が 1m/s2 となるような力を 1ニュートン と定めます。ニュートンを N の記号で表すと
[N]=[kg・m/s2] ( 力の単位 )
となります。
%%%% 改定 第2章 %%%
◇ 《 参考資料 2-1 》
松村 明 編、≪大辞林 第3版≫、三省堂、1988年初版発行、2006年第3版第1刷発行、p.191。
時枝誠記・吉田精一 編、≪角川国語大辞典≫、角川、昭和58年初版発行、p.171。
主婦と生活社 編、≪成語大辞苑≫、主婦と生活社、1995年初版発行、p.135。
◇ 《 参考資料 2-2 》
チャンドラ・セカール著、中村誠太郎監訳、≪チャンドラ・セカールの「プリンキピア」講義−一般読者のために−≫、講談社サイエンティフィック、1998年発行:第2章、p.17-p.41。
◇ 《 参考資料 2-3 》
http://apod.nasa.gov/apod/archivepix.html: アメリカの NASA が提供する 天体、宇宙ロケットなどの膨大な美しい写真( 1995年から撮影されたもの )が公開されている。
◇ 《 参考資料 2-4 》
朝永振一郎著、「物理学とは何だろうか」上巻、下巻、岩波新書、1979年5月第1刷、1979年12月第3刷発行: 上巻 p.58-78。
◇ 《 参考資料 2-5 》
東京天文台編、≪理科年表 平成28年 2016年≫、第89刷、丸善出版、2016年発行:物1(363)-物14(376)。
《 改定 第2章 ―第1ステップ― 》では、ニュートン力学の基礎となる「運動の三法則」(
「運動の法則」とも呼ばれる) について、「運動の第1法則」、「運動の第2法則」、「運動の第3法則」の順で説明しました。これらの法則は文章で述べられていますが、《 改定 第1章 》で述べた力学量 および この章で導入した「物体に及ぼされる力」、「物体の質量」、「物体の運動量」 の力学量を組み合わせると、これらの法則は代数式の形で簡潔に表されることを示しました。
運動の法則は ニュートン力学 の基礎となる法則であり、これから後の各章では、この法則から導き出される物体のいろいろな運動について論じます。しかしその前に、運動の三法則 に関して明らかにすべき重要な事柄が二つあります。それについては、続く
で述べます。
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